切断穿孔技術は世界各国で普及し、更なる発展を続けております。日本に於ける歴史の端緒は、半世紀以上前に遡ります。当初は高度経済成長下、道路の新設・維持・補修工事に特化された技術としてスタートしました。その後上下水道・ガス・電気・通信等のライフラインの急速な発展と近代化の中で、大きな成長をいたしました。また度重なる震災や災害を契機とした、橋梁・隧道やビル等のコンクリート建造物の補強・改修・耐震化等、より安全かつ安心な生活基盤づくりを支える中核技術として、目覚ましい進歩を遂げてまいりました。
当JCSDA(日本コンクリート切断穿孔業協会)はこのような背景を受け、平成4(1989)年、切断穿孔工法に関わる技術情報交換と人材育成を目的に設立されました。また近年は市民意識が高まり、土木建設業に於いても騒音・汚泥・粉塵等の環境対策が優先事項となり、最大限の配慮が求められております。温暖化対策や資源の再利用等、新たな価値を創造するイノベーション技術導入も、喫緊の課題であります。このような中当協会は活動を通じて、大変大きな存在意義のある団体であることを確信しております。
切断穿孔業界には、世界組織としてIACDS(世界コンクリート切断穿孔業協会)があり、当協会も加盟しております。今まで2回IACDSの総会が日本で行われました。その折に世界各国の会員が来日し、日本の切断穿孔技術をご覧いただきましたが、多くの方々に絶賛をいただきました。環境への配慮と安全な施工において、日本の技術は世界に誇れる技術であることを自負しております。
これからも様々な局面があり、対応が求められてくることでしょうが、協会創設時のスローガンである「共通の利害に目覚める」を改めて認識し、進めてまいります。よろしくお願いいたします。
当JCSDAはダイヤモンド工具を用いたコンクリート構造物の切断・穿孔工法の普及改良に努め、安全で高度な技術を確立することにより、社会的貢献と会員相互の親睦を図ることを目的としています。
当協会は上記の目的を達成するため、以下のような事業活動を行ってまいります。
技術情報の共有
ダイヤモンド工具を用いたコンクリート構造物の切断・穿孔工法の技術・提案力を確立し、技術の向上や新技術の開発に努めるとともに、会員相互で情報を共有します。
安全性の意識
建設現場では今、より快適に、より安全に施工することが求められています。当協会では建設作業に携わる全ての方々に、コンクリート切断・穿孔工法の正しい施工方法や安全の重要性を周知し、安全と安心を提供するさまざまな取り組みを行っています。
建設業界での地位向上
会員活動により、ダイヤモンド工具を使用したコンクリート切断・穿孔工事が優れた技術として認められ、積算資料の作成や安全講習会の開催により、ダイヤモンド工法業界の存在が認知されております。コンクリート切断・穿孔工事の普及と改良を進め、更なる会員の地位向上に努めます。
環境に優しい技術
建設業界では騒音・振動・粉塵などの環境問題と常に背中合わせの状態で、その対策に苦慮していました。そこで自然の環境を破壊することなく、人と環境にやさしい技術で、未来の都市再生のために大きな力を発揮します。
ニーズに合った技術提供
コンクリート構造物は老朽化が進んでおり、社会問題となっています。老朽化を防ぐための補修工事や耐震免震工事をスピーディーに行い、優れた技術で被害を未然に防ぎ、安全・安心な社会作りに貢献しています。